見積書に「下から施工」って書いてありました。なんですか?
みなさん、こんにちは。
ネットショップキロ テラス屋根専門店の山内です。
カタログや見積書に記載されている“下から施工”や“上から施工”って何ですか?というお問い合わせをいただきましたので、解説いたします。
テラス屋根の取り付け方
テラス屋根の取り付け方
下から施工の意味をお伝えする前に、テラス屋根がどのように施工され行くのかを簡単にご説明したいと思います。
はじめにテラス屋根の簡単な構造です。
早速、下から施工・上から施工とありますが、部材自体は共通していますので説明は後にします。
テラス屋根は大きく分けると屋根と柱でできていて、屋根の片側を建物に接続して支えます。
まずは垂木掛け(たるきがけ)という部材を壁に接続してそこに垂木(たるき)や側枠を接続して前枠とつなげます。
垂木と垂木の間に野縁(のぶち)という細い部材が付いて、その上に屋根ふき材が取り付けられます。
その屋根ふき材をしっかりおさえるのに必要なのが屋根ふき押さえです。
上から施工
上図は上から施工の取付方法です。
図の④にご注目ください。
屋根ふき材を被せてから屋根ふき材押さえという部材を取り付けるのに、すき間の部分から体を乗り出していますよね。このように上からビス止めして屋根ふき材をしっかり押さえるのです。
これを順番に繰り返して、最後の1枚はテラス屋根の外側(側枠の横)から身を乗り出して取り付けます。
実は、テラス屋根というのはこの方法が一般的な取り付け方なので、御見積書などにもわざわざ上から施工と書かれることはまずありません。
ちなみに、テラス屋根の取付方法はこちらもご参考にしてください。
→テラス屋根の施工の流れ
下から施工
上から施工が一般的な取り付け方だというのは先に説明しましたが、ではなぜ下から施工というものがあるのか?
これも先にお伝えした④に理由が隠されています。
テラス屋根が取り付けられる場所は1階のお庭に限ったことではありません。
実は2階のバルコニーに取り付けられることもとても多くあります。
2階のバルコニーに設置する場合、最後の1枚を取り付けるのって危険ですよね。
だって、バルコニーに取り付ける時ってほとんどがバルコニーいっぱいに屋根を付けたいものです。
出幅違いなどの変形のバルコニーでなければなおさらです。
バルコニーいっぱいにテラス屋根を設置するとなれば、最後は脚立を置く場所すらない状態ですので、身を乗り出して屋根の上の屋根ふき材押えを留めるなんて無理な話です。
そこで、開発されたのが下から施工という取付方法なのです。
上から施工との違いは分かりますか?
上から施工の場合、一番初めに垂木(たるき)を取り付けますが、下から施工の場合は初めに野縁(のぶち)を取り付けます。
その野縁に屋根ふき材を乗せて、最後に垂木を取り付けます。
このような形なので、屋根材を取り付けるのにテラス屋根の下から施工ができるので下から施工というタイプができたのです。
どのように施工しようとお客様にはあまり関係ないので、御見積書に記載する必要性もないのですが、その昔、下から施工は上から施工タイプの物より少し価格が高かったのです。
そのため、区別するために「上から施工」「下から施工」とわざわざ記載していました。
その名残で「下から施工」と記載されています。
あとは、当店スタッフが商品発注の際に間違えないようにするためです。
下から施工でしか取り付けられない場所なのに上から施工のものを発注してしまってはいけないからです。
下から施工もう一つの理由
下から施工が使われる場所はバルコニーだけではありません。
1階でも使われることがあります、それはどんな場所かといいますとこんな場所です。
下手な絵ですみません。
建物とテラス屋根を横から見たところだと思ってください。
赤いのがテラス屋根です。
この場合、屋根ふき材押さえを取り付けるのに脚立を置く場所はあっても、身を乗り出すことができませんよね。
屋根の軒下に頭が当たってしまって不可能なのです。
こんな場合に下から施工のテラス屋根を使います。
ちなみに、上から施工でも下から施工でもテラス屋根本体の強度は変わりませんので、ご安心ください。
YKKAPソラリアの施工性
YKKAPソラリアの施工性
先の説明はYKKAPテラス屋根ソラリアの組立説明書を使いましたが、YKKAPさんはそのほかにも細かいことに気を遣っていらっしゃいます。
例えば、こんなことです。
垂木掛けに垂木を取り付けるのに、従来品では垂木の下からネジを付けていました。ところが現行のソラリアは正面から取り付けることができるので、図の左のようにシャッターボックスぎりぎりのところに屋根を付ける場合にも対応できるのです。
これを先ほどの下から施工を使用すれば、上は屋根すれすれで下はシャッターボックスぎりぎりの場所でも、今までは施工不可としていたものが簡単に施工できてしまうのです。
すごいですね。さすがYKKAPさんです。
これでも取り付けられない場合は、オプションを使用して特殊納まりとして別の方法で取り付けます。
いかがでしたか?
少しマニアックな内容でしたが、図を見ていただければ多少はご理解いただけるのではないかと思います。
それでもわからない場合は、どんなことでも結構ですのでお気軽にお問い合わせください。
ありがとうございました。
テラス屋根専門店のキロでは日本全国でたくさんの施工実績がございます。