テラス屋根の雨漏りって何が原因なの?その2
前回、テラス屋根の雨漏りとはどんなものか?また、外壁とのシーリングがうまく施工できていない場合に雨漏りが起きるということを解説しました。
(詳しくは「テラス屋根の雨漏りって何が原因なの?その1」をご参照ください)
今回は、その2ということでもう一つの雨漏りの原因と対策を解説いたします。
ゴミ詰まり
ゴミ詰まり
シーリングがうまく施工できていないというのは一言でいえば施工不良です。
しかし、施工不良ではなくても雨漏りが起きてしまうことがあります。
それがゴミ詰まりです。
と言われても屋根のどこにゴミが詰まるのか?ゴミが詰まるとどこから雨が漏れるのか?と思いますよね。一つずつ説明しますね。
まずはゴミがどこに詰まるか?という疑問についてですが、それは樋(トイ)です。建物の屋根先にもプラスチックの横樋と屋根から地面にかけて伸びている縦樋がありますよね。それと同じ機能を持った物がテラス屋根にもあります。
左が住宅の屋根で右がテラス屋根です。
ご覧になると一目瞭然ですが、住宅の屋根の樋は大きくて太いです。屋根全体の雨を受け止めて下に流すわけですから当然ですよね。比べてテラス屋根のほうはどうでしょうか?黒く囲んだ部分が横樋で赤く囲んだ部分が縦樋です。住宅に比べて小さな屋根ですから横樋も縦樋もそんなに大きくありません。ただ厄介なのがテラス屋根のサイズが小さいものも大きいものも樋のサイズに違いがないということです。
テラス屋根の上には様々なチリや落ち葉などのゴミがたくさん降り注ぎます。そのようなものが比較的細い樋に詰まってしまうと雨水を受け止めきれなくなり、オーバーフローつまり溢れ出すのです。使い始めのうちは大雨が降った時にしかオーバーフローしなかったのが、ゴミが詰まってくると少々の雨でもすぐに雨があふれてしまいます。するとテラス屋根の先から雨が漏れてきたように感じてしまうのです。
対策
この屋根先からの雨漏り(実際はオーバーフロー)の対策方法はもうお分かりですよね?
そうです。樋の掃除をすればよいのです。テラス屋根の横樋は比較的低い場所にありますので長めの脚立があれば十分に届く高さです。樋に水を流すと掃除しやすいです。前枠と兼用になっていますので指に怪我をしないように軍手をしてそのまま指で縦樋の方向に水を流してみてください。ゴミも一緒に流れるかと思います。落ちたばかりの枯葉など大きなゴミはつまんで取り除いてください。
縦樋は真っ直ぐではなくて曲がっている部分があるのでゴミが詰まりやすい構造になっています。最近のテラス屋根にはゴミ出しエルボというものが付いていますのでとても掃除がしやすいです。
テラス屋根の樋の掃除は簡単ですが、2階や3階のバルコニー屋根の場合はとても危険なので、絶対におやめください。